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13話 :生え際ってどこのこと?
鏡に映る俺。

どこからどう見てもイケメンだ。
もしちゃんと頑張っていたらモデルとか俳優になれたかもしれない。
そのくらいのレベルでイケメンだ・・・
(だがどうだろう。)
さっと前髪を持ち上げる。
当然鏡の中の俺の前髪は開かれ、額があらわになる。

(こうするとイケメン率がちょっとダウンする。)
もう一度前髪を下げてみる。
と、やっぱりイケメンだ。
さらにもう一度あげる。
(やっぱり駄目だ。)
俺はもうかれこれ30分ほどこうして鏡の前から離れなれないでいる。
今日は金曜日。
仕事はそこそこ早目に終わり、
飲み会も適当に断って帰ってきたのだ。
理由は特にない。
近頃どうも飲み会や合コンなどの騒がしい場を敬遠してしまう。
メールを返すのも面倒だからあんまりチェックしていない。
(はあ・・・)
俺は大きなため息をついた。
季節の変わり目で疲れているのかもしれない。
しかし鏡の前には立ち続ける。
先日大量にかったヘアケア商品はちゃんと続けている。
おかげさまで、髪の毛にはツヤが出てきたし、こしも感じるような気がする。
ただ、気になっているのは生え際部分だった。
生え際とは実にあいまいなものだと俺は思う。
人によって位置が違うし、
あまりにオデコが広いと ハゲだ ということになる。
ひとたび ハゲ と言われ、周囲に認知されてしまうと
いくら子供のころからオデコが広くても、
いくら髪の毛がふさふさしていても、
とにかく「オデコから禿げるタイプのハゲ」ということになってしまう。
これでは痴漢冤罪のようなものではないのか。
ということで俺が気にしているのは、
「一度でも美幸ちゃんに ハゲだ と思われたら関係が終わってしまうかもしれない」
ということだ。
もちろん、俺の生え際はもともとオデコが広めなのであって
断じてハゲではない。
しかし、前述した理論によると、目の錯覚であれなんであれ
「あれ?この人ひょっとして・・・」と思わせたらもうだめなのだ。
先週美幸ちゃんはこう言った。
「ハゲたら人生詰むよね」 と。
その日はとても楽しかったはずなのに、
過ぎ去ってみれば、なぜだかそのセリフだけが何度もおもいだされてしまう。
「はあ、」
俺はもう一度大きなため息をついて洗面所を後にした。
ベッドに横になった俺はふとスマホを取り出した。

(そうだ。たかしに会ってみよう・・・)
そういえばもうずいぶん会っていなかった。
お互いに忙しい時期があり、すっかり疎遠になっていたのだ。
隆史からの返事はすぐだった。
仕事が落ち着いて暇を持て余していたところだという。
早速明日会うことになった。
(続く)

どこからどう見てもイケメンだ。
もしちゃんと頑張っていたらモデルとか俳優になれたかもしれない。
そのくらいのレベルでイケメンだ・・・
(だがどうだろう。)
さっと前髪を持ち上げる。
当然鏡の中の俺の前髪は開かれ、額があらわになる。

(こうするとイケメン率がちょっとダウンする。)
もう一度前髪を下げてみる。
と、やっぱりイケメンだ。
さらにもう一度あげる。
(やっぱり駄目だ。)
俺はもうかれこれ30分ほどこうして鏡の前から離れなれないでいる。
今日は金曜日。
仕事はそこそこ早目に終わり、
飲み会も適当に断って帰ってきたのだ。
理由は特にない。
近頃どうも飲み会や合コンなどの騒がしい場を敬遠してしまう。
メールを返すのも面倒だからあんまりチェックしていない。
(はあ・・・)
俺は大きなため息をついた。
季節の変わり目で疲れているのかもしれない。
しかし鏡の前には立ち続ける。
先日大量にかったヘアケア商品はちゃんと続けている。
おかげさまで、髪の毛にはツヤが出てきたし、こしも感じるような気がする。
ただ、気になっているのは生え際部分だった。
生え際とは実にあいまいなものだと俺は思う。
人によって位置が違うし、
あまりにオデコが広いと ハゲだ ということになる。
ひとたび ハゲ と言われ、周囲に認知されてしまうと
いくら子供のころからオデコが広くても、
いくら髪の毛がふさふさしていても、
とにかく「オデコから禿げるタイプのハゲ」ということになってしまう。
これでは痴漢冤罪のようなものではないのか。
ということで俺が気にしているのは、
「一度でも美幸ちゃんに ハゲだ と思われたら関係が終わってしまうかもしれない」
ということだ。
もちろん、俺の生え際はもともとオデコが広めなのであって
断じてハゲではない。
しかし、前述した理論によると、目の錯覚であれなんであれ
「あれ?この人ひょっとして・・・」と思わせたらもうだめなのだ。
先週美幸ちゃんはこう言った。
「ハゲたら人生詰むよね」 と。
その日はとても楽しかったはずなのに、
過ぎ去ってみれば、なぜだかそのセリフだけが何度もおもいだされてしまう。
「はあ、」
俺はもう一度大きなため息をついて洗面所を後にした。
ベッドに横になった俺はふとスマホを取り出した。

(そうだ。たかしに会ってみよう・・・)
そういえばもうずいぶん会っていなかった。
お互いに忙しい時期があり、すっかり疎遠になっていたのだ。
隆史からの返事はすぐだった。
仕事が落ち着いて暇を持て余していたところだという。
早速明日会うことになった。
(続く)
2016年01月19日
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