12話 : 俺は気にしていない

俺  「ささ、あがって」
美幸 「わーい、お邪魔しまあーす!」



今日は久しぶりに美幸ちゃんを家に招いた。
実は付き合ってだいたい半年になるのだ。

昼間、街に出かけてちょっといい店でランチをたべ、
ふたりでブラブラ色んなものを見て歩いた。



途中、帽子屋に寄った時は二人でいろんな帽子を試着して、
俺は美幸ちゃんお勧めの帽子を買ったり、
雑貨屋で二人が今日飲む予定のワイングラスを二人分お揃いで買ったりした。


俺は女の子と買い物するのが大好きだ。
客観的にみて俺が最大限かっこよく見えるものを選んでくれるし、
実用的なものを進めてくれるからだ。


もちろん、そのためにはセンスのいい彼女を選ぶ必要があるが、
俺はその点を失敗したことはない。



そんな楽しいショッピングデートを楽しんだ後は、
俺の部屋で俺が作った料理を食べるプランになっている。


(俺をかっこよく磨いてくれる彼女、そしてその子に尽くす俺。
俺たちってほんとお似合いのカップルだよなあ・・・)

靴を脱いで部屋に入っていく美幸ちゃんを見つめながら、
俺は今日のデートの完璧さに酔っていた。



美幸 「あー、なんかいっぱい増えてるーー!何これ!」

そんな美幸ちゃんの声でハッとした。

そういえば鏡の横のチェストには
こないだ買ったヘアケア系の育毛グッズがいっぱい乗っているのだった!



(毎日使ってるから仕舞うの忘れてた!!やべえ!)



彼氏が育毛グッズなんて使ってると知ったら美幸ちゃんはどう思うのか…

せっかくウットリしていたのに、早くも目が覚めた気分だった。


美幸 「あれ、これメンズ化粧品じゃん、なーんだ、別に女が来てるのかと思っちゃった。」



美幸ちゃんが振り返って笑って見せた。


(よかった、特にひいたりはしてないみたいだ・・・)


俺  「いやあ、俺ももう20代後半だしさ、いろいろこだわらなきゃなって・・・」

美幸 「そっかあ、男の子も大変なんだねー。さすがにハゲたら人生詰んじゃうもんね。

俺  「  え? つ・・・ ( 詰む? 人生、詰むって?  )  」

美幸 「そう考えたら女の子より男の子の方が髪は命って感じだね!」

俺  「そ、そうだね、」

美幸 「はー、いっぱい歩いて疲れたー!」




美幸ちゃんはどさっとベッドに腰を下ろした。
短いスカートがすこし持ち上がる。

普通なら俺も隣に座って大人の時間に突入してもいいのだが・・・


美幸ちゃんがあどけない笑顔で放った『人生詰む』という言葉が心にグッサリ貫通していて
そんな気分にはなれなかった。



俺(ハゲたら、ハゲたら振られるんだろうな・・・今こんなにラブラブなのに・・・)


美幸 「ねー、料理お手伝いした方がいいー?それとも邪魔かな?」


お腹がすいたのか、美幸ちゃんはワインの袋を開け始めていた。


俺 「大丈夫、もう下ごしらえは済んでるからちょっと温めたらすぐ出せるよ。
   先に乾杯しちゃおうよ」



暗い気持ちを払しょくしたいがため、先にワインを開けることにした。



ワインをあけている間も、俺は自分の髪型が気になって仕方がなかった。


朝、完璧なセットをしたつもりだったが、よく考えたらショッピング中に帽子を試着したはずだ。

あの時、帽子を脱いだ後ちゃんと鏡を見てなかった気がする。


(乱れていたらどうしよう、ちょっと薄い?とか思われたら…)


今まさに美幸ちゃんの視線が間近にある。


最近、抜け毛がひどいことは自覚しているし、
じいちゃんの遺伝からしてもしかしたら将来ハゲる可能性もあるのだ。



(だが今じゃない!今そんなことがあっては困る!!!)


そのためにしっかりとケアしているのだ。



(そ、それに俺はイケメンだし。)




美幸 「あ、開けてる間にグラス洗わなきゃね。」

俺  「あ、ああ、ウン。ありがとう」




見たところ美幸ちゃんは俺の抜け毛や薄毛に気が付いているわけではない。
むしろ、久しぶりに俺の部屋にこれたことを喜んでくれているように見える。


(大丈夫、今は気にしなくていいだ…)



俺はそう自分に言い聞かせるとチェストからエプロンを取り出した。

今日のように女性を家に招いた時にだけ着用するお洒落なエプロンだ。
ウエストより腰骨のあたりでつけることでメンズ独特のセクシーさが演出できる(と信じている。)


これをつけて美幸ちゃんの前に立てば
きっと美幸ちゃんは嬉しそうに俺の料理人スタイルをほめてくれるだろう。


俺は台所でグラスを丁寧に拭いている美幸ちゃんにさりげなく近づいた。




続く


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