10話 : 美容室

イケメンの俺だが、ベストな髪の長さがある。
それが今の少し長めのウルフヘアだ。

大学生のころから髪型はこだわっていて、ほとんど変えていない。
しかし、最近になってこの髪型だと抜け毛がひどくなってしまったのだ。





(やっぱり長めに残している分抜け易いんだろうなぁ~)


俺は目にかかる前髪をふと掴んでみた。

細くて柔らかい髪質は相変わらずだ。



やはり毛が長いと汗もかきやすいし、
洗う時もついつい力を入れてしまうことがあったように思う。

トリートメントにも凝っていたが、
肝心の頭皮の方にはあまりよくなかったのかもしれない…



今年に入ってから髪型については色々と考えることが多いのであった。


そうこう考えているうちに、いつものサロンについた。
今日は髪を切ることにしたのだ。


「いらっしゃいませ。」
「こんにちわ、予約していたんですが…」
「はい、こちらです。」


小さいながらも落ち着いたサロンは、繁華街からすこし奥まった場所にある。

BGMにはあえて知名度の低いジャズが選ばれており、音量も小さいので
スタッフたちは声を張り上げる必要が無く、落ち着いた接客をしてくれる。





いつものスタイリストが後ろについてくれた。

「こんにちわ、ちょっとお久しぶりでしたね。」
「お久しぶりです、いやぁ仕事が結構忙しかったりして・・・」


他愛も無い会話をしながらも、スタイリストは髪の状態確認を始めていた。


(他人に髪を触られるのって気持ちいいよなぁ~
後でマッサージでも受けようかな~…)


「結構伸びましたね。今日はどうしますか?」
「うん、それが迷ってて。ずっとこの髪型だから変えてみたい気もするんだよね。」
「そうですね~どんな感じで迷ってます?」
「ちょっと短めにしてみようかなって思うんだけど、どうなんだろうって・・・」



「そうですね~おでこ出すか出さないかで随分印象変わりますからね~。
おでこ出さないなら、こんな感じとかどうですか?」



そう言ってスタイリストは今ある前髪を下から少し持ち上げて見せた。
前髪の先端が目の上に来ると、視界がパッと広がる。


「うん、悪くないかも。でもあんまり変わらないね。」

「そうですね。じゃ思い切っておでこ出しちゃいます?」




スタイリストはそういうと今度は髪を根元からぐっと後ろに引っ張るように持ち上げた。

もちろんおでこは全開になる。




「・・・ 」

「どうですか?結構雰囲気変わりますよね。」

「や、やっぱりいつものにしようかなあ!」

「そうですか?悪くないと思いますけどね~」

「いやぁ、よく考えたら職場のやつと雰囲気かぶりそうだなって!」

「そうなんですね。ではいつもの長さで整えていく感じでよろしいですか?」

「はい!それで!いつもどおりで!」





髪型を変えるのはやめた。




というか、変えてはいけない気がした。

自分のおでこを見たときに。




しばらくオデコを出す髪型をしていなかったからか、
ぱっと前髪のなくなったオデコが自分が思っている以上に広かったのだ。


(俺ってあんなにオデコ広かったっけ?!?)


準備にとりかかるスタイリストを横目に、俺は冷や汗をかいていた。

毎日風呂上りはたっぷりと時間をかけて鏡を見る。
前髪を片手でくしゃっとかきあげてみたりするのは大好きだ。

そのはずなのに、自分のオデコがあんなに広いなんて思いもしなかった・・・



最近友達になった達也を見て、オデコを大きくだした髪型も悪くないんだなと感じていたのだが、
どうやら自分には似合わないようだ。




さっきまで居心地の良かったサロンが急に狭苦しく感じる。
スタイリストはカットの合間もやたらと前髪を上げて長さを確かめるのだ。

そんな風にされるたび、自分のオデコを見るハメになる。
俺はなんとなく疲労感を覚えた。




髪を切ったら買い物に出ようと思っていたのだが、今日は家に帰ることにした。

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