薄毛対策のためなら “日本酒は熱欄”が効果的な理由(ワケ)

「日本酒は育毛効果が期待できる」

この事実を知っている人は、少ないのではないでしょうか。



これにはまず、ある日本の血液学者が発見した、
『IGF-Ⅰを増やせば、薄毛が改善する』
という新しい理論について、ご紹介しなければいけません。

IGF-Ⅰというのは、インスリン様成長因子-Ⅰの略。
日本の血液学者のチームが、血液が体の中で固まらない仕組みと、固まるのを防ぐアンチトロンビンという物質の作用について研究をしていたところ、この物質は、血液を固めない作用の他に、組織の血流を増やす作用があることを発見されました。

しかしどのようにして、血流を増やす作用が発現するのか、そのメカニズムは、全く分かっていませんでしたが、アンチトロンビンが、唐辛子に含まれる辛味成分であるカプサイシンと同じように、熱さや痛みを感知し、伝達する知覚神経を刺激し、組織で血流増加作用を持つIGF-Ⅰという物質を増やすことが、のちに判明したのです。

IGF-Ⅰには、血管を開く作用の他にも、多くの重要な作用があることが知られていて、その1つが育毛作用。
また、アンテトロンビンに限らず、知覚過敏を刺激するものは、IGF-Ⅰを増やし、毛を生やす可能性があると言われています。


“適量のお酒は百薬の長”

こう言われるのは、全くお酒を飲まない人よりも、適量のお酒を飲む人の方が、長生きするという報告があるため。
日本酒では、一日1～2合が、適量とされています。

では酒の効能には、どのような物質が関係しているのでしょうか？アルコール？

確かに、5%のアルコール(エタノール)が知覚神経を刺激するという論文が、海外の研究者によって発表されていますが、日本酒では、IGF-Ⅰを増やす成分が含まれていることが、先の血液学者の研究によって発見されたのです。

日本酒の原料である、蒸米には、デンプン、タンパク質、さらに脂肪が含まれています。
蒸米に麹菌が作用して、これらの物質を酵素反応で分解し、ブドウ糖、アミノ酸、脂肪酸を作ります。

さらに、清酒酵母がこれらの物質をアルコール発酵により、エタノール、炭酸ガス、エステルなどのいろいろな香り成分、およびアミノ酸や有機酸などの旨み成分へと変化させ、日本酒ができます。

この過程で、清酒酵母は、麹菌の助けを借りて、黙々と発酵作業を行います。
すなわち、麹菌は、清酒酵母の働きを助けるビタミンなどの物質を作るのです。

それらの物質の中に、α-グルコシルグリセロール(α-GG)というものがあり、清酒酵母が作った高濃度のアルコールから、清酒酵母自身を守る働きを持っています。このような、麹菌と清酒酵母のコラボが、おいしい日本酒作りには重要なのでしょう。

では、α-GGは、清酒酵母のみならず、薄毛で悩む人たちをも、IGF-Ⅰを増やすことで守ってくれるのでしょうが？
もし、α-GGがIGF-Ⅰを増やすことが分かれば、日本酒が“百薬の長”であることのメカニズムが、分かるかもしれません。

一連の実験によって、α-GGが知覚神経を刺激し、マウスの皮膚のIGF-Ⅰとコラーゲンを増やすことが確認され、さらに、α-GGを、毎晩1回、2週間、女性の顔に塗布すると、その頬の肌弾力性が増加することが分かりました。

日本酒を飲んでも、その中のα-GGが、胃の知覚神経を刺激して、全身のIGF-Ⅰを増やすことは十分期待できます。

抜け毛が気になるアナタ、日本酒の育毛効果を得るためには、

・日本酒を飲むなら、胃の知覚神経が刺激されやすい熱燗で
・酒風呂に入るなら、日本酒を50倍に薄めて、少し熱めのお湯にゆっくり浸かる

というのを実践してみてください。

そのお湯で濡らしたホットタオルを頭に乗せれば、育毛にはより効果的かもしれません。

またα-GGは、濃い濃度ではなく薄い濃度の方が、肌に塗ったときの皮膚のIGF-Ⅰを、より増加させることができます。
日本酒なら50倍に、酒粕なら10倍に、温かいお湯で薄めて肌に塗れば、美肌効果が期待できます。

美肌は何も女性だけのものではありません。
自分の見た目の若さ維持のためにも、ついでに塗っておいて損はないでしょう。